ミネソタ大学助教授・米国小動物外科専門医である新井 史織先生によるセミナーでした。通訳の要らない分、効率のよい国際セミナーになりました。乳び胸、膿胸、肺腫瘍、肺転移巣切除、胸壁切除、胸腺腫、心臓腫瘍、気胸について学びました。すでに知っていることが多いと思っていましたが、復習になっただけでなく新たな知識も増やすことができました。米国では日本と異なった状況にあるため外傷でも銃創や野生動物によるものなどの話も興味深く聞かせていただきました。
S.S
猫の腎臓病
石田 卓夫 先生 ねこ医学会(JSFM) 会長
猫の獣医学シリーズ、今回のセミナーは腎臓病について、というテーマでした。
セミナーではまず用語の定義から確認していきます。どうしても、元来の単語が英語であるときに、日本語に訳して少しニュアンスの変わってしまう単語は獣医学用語でもあるものですが、たとえばRenal Insufficiency は辞書的には"腎機能不全"ですが、それでは"腎不全"との日本語的区別がつきづらくなってしまいます。真の定義である「臨床病理学的あるいは臨床的に何らかの異常が認められるが、腎不全までは進行していない状態」を理解していないと、文献を誤ってとらえてしまったり、あるいは自分が用語を用いるときに誤った表現をしてしまいます。他にも急性腎臓病 AKIという用語の概念についての変遷など、今まであまり意識していなかったことも詳しくお話していただきました。
日々の診療で触れない日はない腎臓病です。当然のことですが、しっかりとひとつひとつの用語を意識して使っていきたいものです。
M.K