南が丘動物通信

7月26, 27日Improve international 腹腔鏡手術コース 18年07月26日

Improve international ショートコース 腹腔鏡手術(初級)

講師:Eric Monnet 

 WAHAが開催しているImprove internationalの腹腔鏡手術の講義・セミナーを受講してきました。以前に参加させていただいた外科コースと同様の施設での開催で、最新の設備と器材、そして何より世界的に著名なEric Monnet先生の指導を受けることができ、とても勉強になりました。

 腹腔鏡は低侵襲手技ですが、その分安全性には充分に配慮せねばならず特に初めの気腹を行う際の注意点については重要なポイントでした。常にカメラの中に写しながらでないと鉗子を操作してはいけないなど、当たり前かもしれないけど守るべきルールについて確認できました。獣医療で腹腔鏡が最も使用されるのは避妊手術や腹腔内陰睾、肝臓生検、胃固定手術です。それぞれの手術におけるカニューレの位置、どの器具を用いるかなど、基礎から講義していただきました。

 獣医療でも腹腔鏡を用いた手術がこれからどんどん増えていくものと予想されます。開腹下での手術のほうが適している手術もあれば、腹腔鏡のほうがメリットが大きい手術もあり、これから適応範囲が広がっていくことが期待される分野となっています。これからも最新の情報を集め、犬猫に負担の少ない手術のために活かしていこうと思います。

T.S.

7月22日摂丹獣医師会エコーセミナー 18年07月24日

日本小動物医療センター 戸島篤史先生によるエコーセミナーを行いました。午前中は総胆管、膵炎、頸部、肺エコー検査の講演、午後からは日立アロカさんのご協力でエコー実習を行いました。今回で3回目になりますがとても役に立つセミナーでいつも2次診療で臨床に取り組んでいる先生だけに説得力がありとても楽しく聞かせていただきました。肺エコーに関してはあまり知らなかった知識でこんな使い方ができるのだと感心しました。午後からの実習とくに膵臓の出し方は参加者全員にとってもとても役に立ったと思います。S.SIMG_6921.JPG

7月20日志学会月例会循環器 18年07月22日

岡山理科大 内科学講座 助教・望月 庸平先生「緊急時の肺水腫治療」でした。心臓病では僧帽弁閉鎖不全症や肥大型心筋症などが原因で肺水腫が日常的に多く認められます。薬剤の選択により助かるか助からないかがたちまち決まってしまうほど重要な分野です。ドプタミン、ドパミン、ピモベンダン、ミルリノン、利尿剤、ニトロプルシド、カルペリチド、アクトシンなどの薬剤について確認していきました。色いろな薬剤の効果、特徴を再認識できてとても良かったと思います。

S.SIMG_6956.jpg

7月21日葉月会腫瘍外科セミナー 18年07月21日

直腸腫瘍の外科

廉澤剛先生

酪農学園大学 獣医臨床腫瘍学研究室

直腸の腫瘍の診断にはまず、指の触診による直腸検査が重要で、病巣の数や大きさ、腸壁の柔軟性、内腸骨リンパ節の状態などが確認できます。特に腫瘍が筋層まで及んでいると腸壁の柔軟性が失われるため、腫瘍の状態を確認するために触診が一番容易で重要な検査になってきます。腸管の腫瘍は高齢犬で発生し、腺癌が最も多い大腸の病気で、治療の第一選択は外科手術になります。今回のセミナーでは腸管の血管の走行や温存すべき血管などの手術におけるポイントを解説して頂き、直腸の一部に限局する粘膜病巣の場合と、粘膜に限局する全周性/多病巣の場合の手術におけるアプローチの違いを動画つきで解説して頂きました。

これから大腸のがんに出会った場合には、きちんと指による触診で腫瘍の大きさや数、浸潤度合いを確認することを忘れず、手術の際でも今回習ったアプローチ法を手術に活かしていこうと思います。

Y.N.