心エコー図検査「ここまで診なあかんでぇ~」2017
日本獣医生命科学大学 竹村 直行 先生
小動物臨床において、心疾患は非常に遭遇する機会の多い疾患です。特に小型犬においては、高齢になると弁膜疾患の発生率が高くなります。そういった心疾患の診断、重症度を評価し、治療を行う上において、欠かせない検査の一つに心エコー図検査があります。しかし、心エコー図検査は、検査を行う検者の技量によって評価を誤ってしまう恐れもある検査です。今回は、心エコー図検査において陥りやすいピットフォールや異常所見を実際の動画を使って分かりやすく講義して頂きました。今後の診療に活かしていきたいと思います。T.H.
口唇、鼻鏡の外科
酪農学園大学 獣医臨床腫瘍学研究室 廉澤剛先生
今回はいつもよりマニアックなテーマではありますが、手術しにくい部位、という意味ではとても意義がある講義でした。そもそもこれらの部位の腫瘍というのは命の危険が差し迫っていることは多くないですが、手術することで美観が大きく損なわれてしまいます。しかしなにも治療しないとどんどん腫瘍は大きくなり、機能的な問題を抱えることになります。そのため十分な説明をしたうえで、どのような治療を行っていくか話し合っていく必要があります。
上唇は皮膚と粘膜に余裕があるために多少広範囲に切除しても再建はできます。それでも難しい場合は前進皮弁や有軸皮弁を用いて再建していきます。鼻鏡に発生する扁平上皮癌に関しては、放射線治療を行っても良い結果が得られず、基本的には外科切除が第一選択になります。しかし切除できても再建はとても複雑で、まず口唇付近の残せる皮膚はなるべく残し、鼻腔の入り口を作っていきながらそれらを合わせていき再建していきます。ただ単純に再建するだけでは時間経過とともに開口部が閉鎖していってしまうので、内腔を粘膜で覆うことを行わなければならず、その方法のイメージをつかむのがなかなか難しかったです。
T.S.