初級コースを修了し、現在中級コースに参加しています。今回はその2回目で、副腎・泌尿器の描出を中心に実際に犬を使って実習しました。副腎の描出法はいくつかあり、それらを習得することで幅のある技術を身につけることができました。また症例検討することで、専門医の考え方を勉強することでできました。
葉月会 皮膚科診療 岩崎利郎先生
本日は、2件の診察がありました。 まずは、8歳のポメラニアンで、毛の脱毛と膿皮症、痒みのあるワンちゃんでした。 検査の結果、甲状腺機能低下症の可能性が高く、治療を開始しました。 甲状腺以外にも、内分泌疾患での脱毛や、現在非内分泌性脱毛に分類されている、ポメラニアンに多いアロペシアXという脱毛症がありますが、毛の脱毛部位には、傾向があり、今回尾の部位も脱毛していたので、甲状腺機能低下症の可能性が高いとのことでした。 脱毛部位の傾向は、とても勉強になりました。
もう1例は、ワイヤーフォックステリアの症例で、アレルギー疑いでした。 皮膚のアレルギーは、ステロイドにとても反応しますが長期に使えず、そのかわり副作用が少ないシクロスポリンという免疫抑制剤が用いられることがありますが、今回のワンちゃんはその薬にとても反応がよく、飼い主様も満足されておられました。 皮膚科研修をするにあたって身近で専門医の診察がみれて、その反応をみれることはとても勉強になります。 残った時間で皮膚にできる腫瘍の講義をうけました
M.N
上記の学会に参加しました。
午前中は東京大学獣医内科学研究室准教授大野耕一先生に「消化器疾患の超音波所見ケーススタディ」をテーマに講演して頂きました。嘔吐や下痢、食欲不振などの症状を呈する消化器疾患といっても、胃・腸管・肝臓・胆嚢・膵臓など病態は多岐にわたります。血液検査だけでは異常が認められない場合や病変の所在および程度を十分に把握できない場合もあり、消化器疾患の診断において腹部超音波検査は非常に重要となります。今回、実際の症例の検査画像を交えて、それぞれの疾患における特徴的な超音波検査所見について理解を深めることができました。
午後からは、大野先生と大阪府立大学生命環境科学研究科准教授秋吉秀保先生をオブザーバーに迎え、全22題の症例発表会が開催されました。当院からも「犬の扁平上皮乳頭腫において手術後ハトムギを使用した1例」、「椎間板ヘルニアを伴った犬の椎間板脊椎炎の1例」の2題を発表しました。
H.B
横浜で開催された上記大会に参加してきました。第10回記念大会ということで、心疾患や腫瘍性疾患、内分泌疾患等の様々な疾患においてこの10年間で獣医療の進歩と共にどのように考え方、治療が変わってきたかをテーマにいくつかの講演がありました。獣医療はこの10年間の間だけでも目覚しく進歩していますが、やはり人医療に比べるとまだまだ発展途上の分野も多く、おそらくこの先10年間でまた考え方や治療法も大きく変わっていくであろうと思われます。今後もこのような学会に参加して、最新の技術、知識を持って治療に望みたいと思います。T.H.
葉月会 皮膚科診療 岩崎利郎先生
今回は、1症例の診察が有りました。皮膚の脱毛と、その部位の皮膚の薄薄化が顕著な犬で、掻痒も無く、発赤や、丘疹も認められませんでした。毛の検査で毛根をみると、毛根が休んでいる時期の割合が明らかに高くなっていました。
その部位の皮膚をバイオプシーして、病理検査を依頼しました。 研修での症例は、専門家に依頼する治療困難な症例が多く、また珍しい症例も多い為とても勉強になります。 またそれ以外に、犬のアトピー性皮膚炎国際調査委員会による標準的治療ガイドラインを勉強しました。 ガイドラインがあることは、獣医師として、自分の経験以外での治療方針を示してくれることであり、飼い主様に、偏らない、今の最新の知見下での治療をご提示できることの繋がると思っています。 ガイドラインは定期的に改正させていくので取り残されないように、勉強していきたいと思います。
実際の症例から考える眼科学 角膜疾患Part1 潰瘍性角膜炎
北摂ベッツセンター
辻田裕規先生
今回から眼科学セミナーは実際の辻田先生の実際の症例を基にした、診断に必要な知識を実践的に得られる講義となります。臨床症状や所見に応じた検査や治療法の選択を学ぶことができました。角膜潰瘍の患者さんはとても多いのですが、その病態は症例により様々です。特に重要な所見は細胞浸潤であり、これは細菌感染が疑われ、急速に角膜が融解する可能性があるため注意が必要です。また角膜穿孔を確認するサイデル試験の動画はとても分かりやすく印象的でした。今後の診察に活かしていこうと思います。
T.S.
人と動物の絆を結ぶ 獣医行動学
入交 眞己 先生 日本獣医生命科学大学 講師
アメリカ獣医行動学専門医
2月2日に大阪で開催された獣医行動学に参加してきました。今回のセミナーでは「人と動物の絆を結ぶ」をテーマに問題行動の知識と対処法について学びました。猫の問題行動で多くみられるのが、爪とぎの問題やトイレの失敗。愛護センターの遺棄の理由としてもあげられるそうです。
トイレの失敗には生理学的な問題と、行動学的な問題があげられます。血液検査・尿検査・身体検査上で異常のない場合は、お家のトイレの環境を見直すことが改善に繋がるかもしれません。
このセミナーで学んだことを飼主様にお伝えできればと思いますので、何か気になることがありましたらご相談ください。
K.N.
犬・猫の行動が示す意味から、学習のさせかた、分離不安症と雷恐怖症、猫のトイレの失敗を防ぐい方法、情動障害、犬・猫の攻撃行動について講演していただきました。長時間の講演でしたが、入交先生がユーモアたっぷりに教えて下さったので非常に面白く時間を忘れて聞くことができました。犬・猫の攻撃行動にお困りの飼い主さまのいらっしゃると思いますが、犬の場合たいていは恐怖心から攻撃に出ています。ですので、犬が吠えたり咬んだりする対象が怖くないということをゆっくりと教えていくことで攻撃行動が解消します。猫の場合は遊びからの攻撃が多いので、おもちゃをローテーションさせたり場所を変えたりして猫が普段の遊びに飽きないように工夫してあげると解消する例があります。一方で分離不安症や雷恐怖症、情動障害については、入交先生は抗うつ剤や抗不安剤を積極的に使用されていました。その理由は犬・猫がパニック状態に陥っており、学習する余裕がないからです。薬で不安の落ち着いたところで学習させて、だんだん薬が要らなくなるようにできるそうです。行動を修正するには原因を考えそれを取り除いたり、学習させたりする必要があります。しかし、内部の目では原因が分かりにくかったり、外部の目で冷静に状況から判断して原因がわかる場合もありますので、何か問題がありましたら気軽に獣医師にご相談ください。
M.M.