腫瘍学セミナー
副腎の外科
酪農学園大学 廉澤剛先生
今回は、副腎腫瘍の外科について、症例を交えながらのセミナーでした。
副腎腫瘍はめずらしくないですが、外科手術する症例は多くないので、非常に有用でした。
珍しい、猫の副腎腫瘍の紹介もあり、興味深かったです。
膝蓋骨脱臼~診断・病因・病態生理・治療~、領域麻酔法
ファーブル動物医療センター
野尻紋美先生
膝蓋骨とは膝のお皿の骨のことで、膝蓋骨が膝の溝から外れてしまう膝蓋骨脱臼が小型犬でよく見られます。膝蓋骨脱臼では膝だけでなく股関節や大腿骨などの異常、筋肉の線維化など病態生理が複雑であり、図や写真、レントゲンで表しながら分かりやすく講義していただきました。また各グレードにおける手術法の選択については、グレードが進むほど骨切りなどの操作が必要となり、力学的に手術を考えることの必要性を考えさせられました。
また獣医学領域ではあまり馴染みのない領域麻酔法に関しても講義していただきました。痛みの強い手術では硬膜外麻酔などを組み合わせることで、術後の疼痛によるストレスが軽減されます。薬剤の選択や穿刺法など、とても勉強になりました。
iVEAT 宮林 孝仁先生
今回は、下部泌尿器系および生殖器系の描出方法や描出された画像に対する解釈について実習していただきました。特に膀胱は、泌尿器疾患の際に超音波検査による評価が有用となります。また、卵巣や精巣は腫瘍の有無を評価するのにも超音波検査が有用です。今回の実習でそれらの臓器の描出方法を丁寧に教えて頂き、診断の精度の向上に繋がったと思います。
7月10,11日に麻布大学で行われました第5回日本獣医がん学会に参加してきました。
体表に悪性腫瘍がある際、手術により健康な組織も含めて大きくとることが一般的な方法ですが、部位的に摘出できない、あるいは形態や機能が欠損してしまう場合、腫瘍だけを小さくとって、放射線療法を併用する方法があります。この際、アグレッシブな手術をした際と、治癒率は変わらないそうです。
悪性腫瘍は大きくとる!というのはがん治療の大原則なのですが、何でもかんでも大きくとればいい、というわけではなく、様々な治療法を駆使してより浸襲の少ない治療法を考えていくのも我々獣医師の責務なのだと再確認しました。
また、放射線療法を併用する際、術前か術後に放射線を照射するのですが、それぞれにメリット、デメリットがあり、これらの治療法について理解を深めることができました。
日本大学動物病院総合診療科
佐野忠士 先生
普段診察するにあたって、頻繁に使用する血液検査項目などについて、各々の持つ意味と検査結果に対する考え方などを、実際の症例を交えて丁寧に講義していただきました。
基本的な事柄を見直す良い機会になり、普段の診察でも検査結果に対して常に理論的な考察をすることがとても大切であることを再認識しました。
日本大学動物病院総合診療科
佐野忠士 先生
普段診察するにあたって、頻繁に使用する血液検査項目などについて、各々の持つ意味と検査結果に対する考え方などを、実際の症例を交えて丁寧に講義していただきました。
基本的な事柄を見直す良い機会になり、普段の診察でも検査結果に対して常に理論的な考察をすることがとても大切であることを再認識しました。