南が丘動物通信

3月21日 志学会症例検討会 11年03月21日

志学会に入会している病院が興味深い症例を持ち寄り、発表後に症例についての検討を行う症例検討会が行われました。当院からも2症例を発表いたしました。それぞれの病院の診断・治療に対する考え方を知ることができ、またコメンテーターの山口大学・奥田優教授と板本和仁准教授の意見も聞くことができたので大変勉強になったとともに、良い刺激にもなりました。

3月18日 志学会 CT・MRIの読影の基礎と代表的な疾患 11年03月18日


これだけは知っておきたい~CT・MRIの読影の基礎と代表的な疾患~
講師  嶋崎 等   千里桃山台動物病院

CT・MRIの読影について基礎的なことから実際の症例を交えて講義していただきました。
脳脊髄疾患や腹部の腫瘍などCT・MRIの適用が一般的な症例から蛋白漏出性腸炎や腎梗塞、膵炎など日ごろCT・MRIを適用することが少ない症例についても講義していただきました。
CT・MRIをより深く理解することで、診断や治療の精度を高められればと思います。

3月17日 葉月会組織細胞学セミナー 11年03月17日

細胞診各論
アイデックスラボラトリー 平田 雅彦 先生

今回のセミナーでは一般臨床でよく遭遇する体表腫瘤の細胞診についてご講演いただきました。各腫瘍の病理組織像から細胞診の像を考えることの重要性を再確認しました。また、病理学分野の発展に伴い、腫瘍の分類が変更になるなど、得ることが多く非常に有用なセミナーでした。

3月16日 葉月会眼科学セミナー 11年03月17日

即戦力眼科学シリーズ~臨床兆候からのアプローチ~
第3回 角膜疾患
ファーブル動物病院眼科 山下 真先生

今回は、角膜の構造などの基礎的なところから、日常遭遇する機会の多い様々な角膜疾患についての診断、治療法について講義して頂きました。特に角膜疾患については、系統立てた分類をすることで非常にわかりすい内容でした。

3月12、13日 JCVIM/JSVCP/JSVD 2011年次大会 11年03月15日

3月12、13日
日本獣医内科学アカデミー/日本獣医臨床病理学会/日本獣医皮膚科学会の合同年次大会に参加しました。
大きい学会の中で、様々な講演を受けました。
特に、テキサス大学の山崎淳平先生による、リンパ腫の再発およびコントロールなどの指標となるMRDについての発表が興味深かったです。
MRDとは、微小残存病変といい、抗癌治療後の寛解時に一般的な方法では検出できない残存腫瘍細胞のことを指します。方法としては、症例特異的な遺伝子を特定し、それを利用してPCRによって末梢血中の微小な腫瘍細胞を検出、定量するというものです。
今のリンパ腫のグレード分類では、StageⅤ以外は、末梢血中に腫瘍細胞は存在しないという概念でありますが、このMRDレベルを末梢血中で測定した際、Stageに関係なく、MRDが検出されたそうです。
また、抗癌剤治療などによって、寛解になった症例においてのMRDレベルを測定することで、抗癌剤の効果の評価や、再発の予測などに繋がる可能性があります。
この検査を行うことによって、リンパ腫の治療の向上が期待できる素晴らしい研究であると感じました。

3月1日~4日JAHA国際セミナー  クリティカル・ケア 11年03月05日

JAHA国際セミナー  クリティカル・ケア/Dr.Bernie Hansen North Carolina State University
アメリカ獣医緊急医療専門医 アメリカ獣医内科専門医
クリティカル・ケアについて3日間にわたり講演されました。
基礎的な部分で今まであまりセミナーでは聞けなかったような興味深い抗議内容がありました。その中の脈について書いてみます。
安静時の犬の脈拍
140以上:治療が必要な重度の存在を示唆。
120以上:病気に対する代償性反応。
120以下:正常
80~100:とても良い状態
50~80で呼吸性不整脈がある:理想的
猫の心拍数
220~280:頻脈の評価は難しい。正常であることも依存している状態の示唆していることもある。
180以上:病的ストレス、不安状態
160~180:普通
140以下:異常
120~140:明らかな異常、相対性徐脈は深刻な調律障害。低体温や予後不良の前兆
脈の評価
重複脈:心臓の収縮性が増し1回拍出量が増加している、貧血など
糸状脈:拡張期圧低下、パルス幅正常~増大、パルス持続時間は短縮、血液量減少症、
僧帽弁閉鎖不全症など
弱脈:拡張期圧低下、パルス幅狭小、血液量減少症を是正しないと死が差し迫っている。
   重度敗血症、敗血症性ショック、アナフィラキシーなど

その他、肺音についてや呼吸様式による病気の評価などを教わりました。
3日間にわたるスペシャリスト・セミナーでしたが有意義なものでした。