今さら聞けないCTの話③
日本大学 佐野 忠士先生
今回は各論として肝臓のCTについて講義していただきました。肝臓の画像診断としてレントゲン検査や超音波検査は広く行われています。CT検査を併用することでこれまでの画像診断では検出し切れなかった病変をCT検査では造影を組み合わせることにより描出できたり、門脈体循環シャントの検査としても有効な手段となります。
CTは非常に有効で、便利な検査法ですが、佐野先生のお話にもあったようにCT検査を行うまでの画像診断を含むいろいろな検査、また病理検査などから総合的に診断することが必要となります。
腹腔鏡手術
ルカ動物医療センター院長 江原 郁也
今回は獣医療においての腹腔鏡手術の第一人者であるルカ動物医療センターの江原先生に腹腔鏡手術について講義していただきました。避妊手術から始まり、消化管外科や肝臓外科まで様々な適応症例があるようです。またその低侵襲性も利点の一つとなります。
人医療と同様に選択肢の一つとして腹腔鏡手術があることは、獣医師にとっても、飼主様にとっても非常に有意義なことだと実感しました。
酪農学園大学 廉澤 剛教授
肺葉切除
今回のセミナーでは肺葉切除の術式や注意点などを講義していただきました。肺原発性腫瘍や肺葉捻転などの疾患で肺葉切除が適応となります。肺葉切除は難易度の高い手術ですが、根治を期待できる治療法でもあるので、是非とも習得したい術式であると感じました。
また当院で診断および手術を行った肺葉捻転の症例についても先生に解説をしていただきました。改めて勉強になった部分も多く、有意義なセミナーでした。
志学会症例検討会
山口大学 獣医内科学研究室 奥田 優 准教授
当院からの発表
・野竹 裕之
「クッシング症候群の犬にみられた皮膚石灰沈着症の1例」
・牛田 匠郎
「リンパ腫におけるレスキュー療法によって長期寛解を得ることができた犬の1症例」
今年も総合コメンテーターとして、山口大学の奥田先生をお招きしての症例検討会となりました。
非常に様々な症例について新しい知見や、奥田先生を初めとした各先生方の考え方に触れ、大変勉強になりました。
ここで得られた知識を、今後の診療に役立ててゆきたいと思います。
葉月会セミナー
PART1 慢性腎不全の診断、管理の実際~日獣大竹村実践マニュアル
PART2 復習 僧帽弁閉鎖不全症~日獣大循環器科を受診した1症例から
日本獣医生命科学大学 獣医内科学教室 准教授 竹村直行先生
今回は、腎臓、心臓と、コンパニオンアニマルが、健康で長生きをする為に、気をつけなければならない疾患を2つも学ぶことが出来ました。腎臓は、血液検査での数値が上昇してくるのが、かなり腎臓にダメージを受けてからなので、その前の尿検査やエコー検査の重要性を教わりました。また尿比重計は主に人用のものがもちいられることが多いのですが、注意点を教わることが出来ました。
血液の異常の前の初期の段階での診断する基準や、先生のされている治療法を学びました。
また心臓に関しては、前回学んだことの復習に加えて、先生の実際の症例を通して、どこに気をつけなければならないのかを教わりました。
今後の治療に役立てたいと思います。