最近注目のリハビリテーションと理学療法の基本
HANDS FOR PAWS代表 森 めぐみ先生
椎間板ヘルニアなどの神経疾患や様々な整形外科的な疾患では手術が治療の第一選択となるものが多いですが、人間であれば当然のように術後のリハビリが行われています。しかし、動物ではリハビリという概念が特に日本ではまだ根付いていないのが現状です。手術と理学療法を組み合わせることで術後の回復が向上することは動物でもよく知られるようになってきました。当院でも椎間板ヘルニアの術後には鍼治療を行い、良い成績を得ています。今回のセミナーでは、用手によるマッサージを中心に教わりました。先生に犬のマッサージを実演していただきましたが、犬は気持ちよさそうに寝ていました。動物に対するマッサージを実際に見ることができて貴重な体験ができました。
Dr.岸上の教科書に載ってないシリーズ
第3弾 骨折治療の新しい基本
岸上獣医科病院 岸上 義弘先生
骨折の治療は、しっかり整復してしっかり固定する、というのが基本だと思っていました。多くの教科書にもそのように載っています。しかし、先生の考え方ではもっと生体の持つ自己治癒力を利用する治療のほうが良いのではないか?ということでした。人医学でもそのような考え方をする整形外科医が増えてきている、ということでした。現在は様々な考え方があるようですが今後、どのように骨折の治療方法が変化していくのか、しっかり勉強していきたいと思います。
志学会セミナー
脛骨異形成症の診断・治療 ~身体検査からハイブリット創外固定法まで~
米地謙介先生(奈良県アサヒペットクリニック)
今回は比較的、近年報告されているダックスフントの「脛骨異形成症」について教わりました。この病気は1977年に初めてドイツで報告された病気で、ダックスフントの脛骨が、曲がってしまい、跛行を示すことがある病気です。飼主様は、足のO脚やびっこで気がつかれることが多いのですが、あまりにも小さいころから症状が出てしまうことが多く、また本人は痛がるそぶりを見せないので、気づかれない場合もあります。
遺伝や環境素因は疑わしいのですが、現在も立証されてはいません。
ダックスフントは近年、最も日本で登録頭数の多い犬種です。
必ずしも手術しなければならない病気ではないのですが、この病気を学ぶことによって、飼主様にご提示できる治療法の選択肢の幅を広げればと思いました。
Dr萩尾の実践心エコー:入門編⑤
宮崎大学・獣医外科学教室 萩尾 光美教授
実践的な心エコー法について教えていただきました。
心機能障害をもっている心臓病は必ず拡張機能障害をともなっており、その評価としては左室流入血流の測定が適しています。
しかし、より詳細な拡張能の評価をするためには、組織ドプラ法が必要となってきます。、
ちょっと難しい講義内容でしたが、心機能を評価するためにはぜひともマスターしたい手技であります。