動物の皮膚病
東京農工大学 岩崎 利郎教授
今回は、特に犬の痒みを伴う皮膚病の診断についての講演でした。皮膚病の診断は、皮疹の出方を診ることである程度病気を絞り込めます。しかし、アトピー性皮膚炎を代表とするアレルギー性皮膚炎と細菌感染、寄生虫感染あるいは免疫介在性の疾患はしばしば同様の外観を示します。そのような疾患をどのようにふるいにかけていくのかについて概説していただきました。
皮膚病は多くの犬にみられます。毎日必ず皮膚の痒みなどを主訴に患者さんが来院されます。見た目は同じでも治療法は原因により少しずつ異なります。頻繁に診察する機会がある病気だからこそ、ルーチンワークにならないように日々考えながら診察していきたい。
『胃腸器疾患の攻略法:専門医はここを診ている』
Kenneth W.Simpson, BVM&S,PhD Cornell University
10:00-12:00 犬とネコの膵炎の診断と治療法
13:00-15:00 慢性下痢の攻略法:ここをチェック!
15:30-17:30 慢性腸疾患の治療法
18:00-20:00 胃腸器疾患の症例:専門医はここを診ている
午前中は、犬、猫の膵炎の基礎から症状、治療等について教わりました。膵炎は、よく遭遇する病気にもかかわらず、猫では慢性経過をたどる事が多く、診断が難しい疾患です。また犬においても他の疾患との鑑別診断が難しい病気です。その膵炎の基礎から、検査方法、治療方法や食事管理まで教わることができました。
午後は、下痢について教わりました。下痢は最もよく遭遇する病気の一つであり、すぐ治る下痢から、なかなか治らない下痢まで様々であり、原因も様々です。その海外での最新の治療方法を教わることができました
一日がかりのセミナーでしたが、とても勉強になり、日々の診療に役立てていきたいと思いました
『胃腸器疾患の攻略法:専門医はここを診ている』
Kenneth W.Simpson, BVM&S,PhD Cornell University
10:00-12:00 嘔吐:原因は何か?(病歴の取り方と身体検査の注意点も含めて)
13:30-15:30 持続性嘔吐の対応法:ここをチェック
16:00-18:00 犬や猫におけるヘリコバクター
犬や猫において、胃腸器疾患は日頃診察する機会が非常に多い疾患です。症状が一時的で早い段階で解決するものから、手術が必要なものや、命に関わるものまで状態は様々です。手術が必要な症例やクリティカルな症例は病歴聴取、身体検査、血液検査、画像診断を効果的に行うことでこれらの状態を鑑別し、迅速な原因の究明が必要となります。
ヒトではすっかり有名となったヘリコバクターですが、犬や猫の胃腸器疾患においても関連性が疑われています。今後さらに研究がすすみ関連性が証明されれば病気が事前に予防できるようになるかも知れません。
整形外科疾患と神経疾患の鑑別のコツ
枝村 一弥先生(日本大学動物病院)
整形外科疾患と神経疾患はよく似た症状を呈する場合があり、鑑別が困難な場合があります。系統だった整形外科学的検査や神経学的検査などの身体検査を行うことで鑑別の補助となります。神経疾患や整形外科疾患に限らず、身体検査の重要性を再認識しました。
最近では獣医療においてもリハビリテーションの重要性が認識されるようになり、特に神経疾患や整形外科疾患においてよく行われるようになってきています。運動機能や生活の質の向上の為に効果的にリハビリテーションを取り入れて生きたいと思います。
iVEAT夜間セミナー
心エコーセミナー
宮崎大学 萩尾光美教授
犬や猫においてもヒトと同様に非常に多くの先天性心疾患があります。ドップラーやコントラストエコーを行い血流動態を詳しく観察することで診断の補助となります。